おどる大グマ ずいぶんむかしの話。 丘の上で、子どもたちが何人も集まって、遊んでいた。 と、そこに大グマが一頭、のっそりと現れた。 子どもたちは、 「クマだ!」といって、いちもくさんに逃げだした。 逃・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 56 (スズメとキツツキ)
スズメとキツツキ むかしむかし、けものや鳥がこの世にきたころ、みんな同じお母さん神をもっていたのですよ。 ある日のこと、鳥の女たちが集まって、顔にいれずみをしたり、お化粧をしたりしながら、おしゃべりを・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 55 (クマとにらめっこ)
クマとにらめっこ わたしたち明治のはじめに北海道に入った農家は、墓から向こうの道などは、昼でさえ女おんな子どもは通れませんでした。ときどき男の人があのへんを通ったとき、墓石のむこう側から、つめをかけて・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 54 (ヒバリと天の神様)
ヒバリと天の神様 むかしむかし、ヒバリは天の神様のお使い役で、高い天の上にすんでいました。 ある日のこと、天の神様は人間の国へたよりを出すため、ヒバリにいいつけました。 「用がすんだら、すぐ帰ってくる・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 53 (灰の中の砂金)
灰の中の砂金 もうずいぶん前の話である。 ニシンがとれなくなった北の海は、火の消えたようなさびしい日が続いた。 海べの村では、職を求めて村から出てゆく者が日増しに増え、村には老人と子どもばかりが残った・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 52 (坊さんとタヌキ)
坊さんとタヌキ むかし、ひとりの坊さんが、山道にさしかかりました。もう秋の日は暮れて、足もとが暗くなりました。 「さて今夜は、どこへ泊まろうかな」と、宿を案じながら、山道を登っていきますと、かたわらに・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 51 (カボチャ黄疸)
カボチャ黄疸おうだん 開拓が始まって十年、二十年とたちました。 しかし、まだまだ食事などは今と違ってまずしいものだったのです。 お米だけのご飯などは、めったに食べることがありませんでした。 よほど、く・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 50 (病気たいじ)
病気たいじ 北海道がまだ「えぞ地」と呼ばれていたころの話。 箱館の役人は、えぞ地に流行している病気を、一日も早くなくしたいと考え、その予防に出かけた。 うわさによると、病気にかかったものを、病気の神に・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 49 (さらしものになったクマ)
さらしものになったクマ クマはたくさんいましたね。なにしろクマがもともと住んでいた土地に人がやってきたんですから、出合うのがあたりまえです。早くここに来た人で、こわい目に会わなかった人はいないでしょう・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 48 (電燈のつきはじめたころ)
電燈のつきはじめたころ わたしが電燈というものをはじめてみたのは札幌でしたが、田舎から出てきた者にとっては、その明るさと便利さは、きものつぶれる思いでした。 そのころ、会議のため札幌に出てきて、宿に泊・・・ (続きを読む)