二風谷ダム 1

二風谷といえば、アイヌの人たちの聖地でした。

写真は現在の平取町です。
今でもアイヌの施設が点在する町です。その中心となる場所に二風谷ダムがつくられました。

しかし、この平取町が人々に知られるようになったのは、皮肉なことにも「二風谷ダム裁判」と呼ばれる8年間にわたる訴訟を通じてでした。

それまでは「二風谷」とは言っても、どこにある地名なのかも知りませんでした。

この事件に焦点を当てて、連載で掲載します。

萱野茂と云われアイヌ人がおります。アイヌ人として初の(元)参議院議員となり国会で代表質問をアイヌ語で話した人です。
二風谷ダム裁判の原告者としても、歴史に残る歩みを残した人物です。

萱野 茂かやの しげる

「二風谷ダム裁判」とは、アイヌの聖地二風谷をダム湖にして沈めることの正当性をめぐって争われた裁判であすが、その判決は97年に、原告側の実質的な勝訴、すなわち、アイヌ民族の先住性を国家がはじめて国内で認めるという画期的な内容をもって終わっています。

裁判における原告のアイヌ人は萱野茂さんと貝澤正さんの二人だけでしたから、二人の闘いは並々ならぬものであったと思われます。