亀函馬車鉄道

この鉄道は今日の函館市内を走る「函館市電」のはじまりです。

明治29年5月、亀田ー函館間8キロの馬車鉄道会社(亀函馬車鉄道㈱)が設立されました。明治30年12月に弁天町ー東川町間3.3キロが単線、馬力で開業。
翌年1月には東川町ー末広町ー十字街間1.5キロを延長し、複線で開業。9月には鶴岡町ー海岸町間が、12月には湯の川線がそれぞれ開業。

この間の明治29年に湯の川ー函館を結ぶ函湯鉄道㈱が設立され、蒸気機関車による鉄道が計画されたが、資金難で明治31年に亀函馬車鉄道㈱に吸収合併され、この時に社名を函館馬車鉄道㈱に改めました。

ところが明治44年7月に函館水電㈱に合併されることになります。
街中を走る馬鉄は西洋文化の函館には時代遅れとして、電気事業に乗り出してきた函館水電が合併を仕掛けました。
明治45年6月から始まった電力への変更工事は大正2年6月に竣工し、湯の川線東雲町ー湯の川間が単線で開業。函館市電の始まりでした。

函館水電㈱は昭和9年に帝国電力会社と改称、さらに昭和15年7月には大日本電力会社と合併。軌道事業については、昭和18年2月に道南電気軌道会社に譲渡され、次いで同年10月には函館市に譲渡され今日に至っています。