観光客が行かない「浜頓別」の旅       
                      人口3,336(2023年6 月)  

浜頓別(はまとんべつ)町の由来は、
「トー・ウン・ペッ」(湖から出る川)と
いう意味です。
アイヌ民族に文字はありませんでしたが、
意思を伝えるために場所をあらかじめ分か
りやすい地形に付けていた
のでしょう。
                                          
「砂金の町」として知られた浜頓別町。
明治31年、ウソタン川からの砂金産出が始まりゴールドラッシュ。
その場所は現在も「砂金採掘公園」として、夏季には砂金掘りが楽しめます。
日本最北の湖・クッチャロ湖があり、世界一のコハクチョウの飛来地としてラムサ
ール条約の保護区に指定され国際的に注目を集めています。                                                                     

明治11 年(1878) 枝幸郡に枝幸、頓別、歌登、礼文の4ヶ村が設けられました。現在の枝幸郡浜頓別町斜内にアイヌの家6戸。
明治17年(1884) 斜内において和人(姓不詳)1人漁業を営む。

 

浜頓別町の「失われた風景」 1962年(昭和37年) の映像から  
                             
  
天北線「浜頓別駅」の朝の通勤ラッシュ風景から始まります。オホーツクの海の幸と北見山地の豊富な森林、そうして、交通要衝の便利さで活気ある町が紹介されています。
基幹産業としての木材は、駅の近くにある製材工場がフル回転。しかし、町は木材だけではありません。大正12年に雪印乳業の工場が出来てから、酪農の町としても力が入ります。町営100ヘクタールの放牧場を作り、牛を育て、乳牛の生産に力を入れているのです。雪印乳業工場では一日46tの乳牛を集めバターの製造を行っています。

漁業
漁業組合では浜頓別港に4000万円をかけて工事を行っています。これは漁業基地にしたいとの目的からです。また、秋の沖合いの海では、鮭の定置網が総出の作業風景。

クッチャロ湖がラムサール条約に登録されるのは1989年(平成元年)のことですから、27年も前の湖の風景が映されています。11月に入ると白鳥の群れが300羽近く飛んできて11月末まで羽を休めています。クッチャロ湖は、当時から観光と行楽の場所でした。特に、冬の湖は水面が氷と化し「恰好の行楽の遊び場」となります。大きな凧はユニークで、氷雪の湖に凧が帆となりスキーで滑るスポーツです。

また、アイヌ民族の舞踏映像があります。これはこの地が観光地として集客があったのではないかと思われます。
かつては砂金の町でもありましたが、映像にありませんでした。

クッチャロ湖

クッチャロ湖はオホーツク海に面した枝幸郡浜頓別町にあります。
名称の由来は、アイヌ語のkut-char(沼の水が流れ出る口)で、屈斜路湖と同語源です。漢字はすべて当て字です。

日本最北のラムサール条約湖の周囲は27kmで、大沼(長径5.5km)と小沼(長径3.0km)の2つの沼が細い水路によってつながっており、水深が1.5mと浅く標高が低いため、約3km離れたオホーツク海の海水が、満潮になると入り込みます。大沼の南側が市街地で整備されています。水鳥観察館、キャンプ場、売店などが設置されており、夏には湖畔のキャンプ場はテントで一杯になります。キャンプの苦手な人には温泉施設のあるホテルもありますから、手ぶらで来ても大丈夫です。
日本とロシアを渡る水鳥達の重要な中継地で、約290種の野鳥が記録されているといいます。湖畔には環境省で設置された「浜頓別クッチャロ湖水鳥観察館」は水鳥などの情報を発信しています。日本最大のコハクチョウの中継地で、毎年2万羽ほどが飛来するほか、ヒドリガモ、オナガガモなどカモ類が多く飛来します。バードウォッチングにはたまらない魅力的な場所といえるでしょう。

ベニヤ原生花園
原生花園は、自然をそのままにした状態でも色鮮やかな花が咲く、湿地帯や草原地帯のことだといいます。人為的な花々もいいですが、自然の色は魅力的です。
北海道は三方が海で囲まれているので、原生花園は知られているものだけで20カ所ほどあります。小清水原生花園が全国的に有名ですが、他の地区も驚く花園が多いのです。クッチャロ湖の北西に展開する原生花園で、オホーツク海沿岸にある原生花園の中でもかなり大規模で観光化も進んでいるのが「ベニヤ原生花園」です。私は町のボランティアの人に案内してもらい、自然の花々に魅了されました。

笹の花

笹に花が咲くのは60年から70年に一度とのこと。大変珍しく、ネットで調べると「笹に黄金が成り下がる~」と、民謡「会津磐梯山」に唄われている。おそらく、一生に一度見られたら良い方だとか。

 

 

クガイソウ(九蓋草、九階草)
クガイソウは、ゴマノハグサ科クガイソウ属の多年草。茎は円形で直立し、株立ちになり、高さは80-130cmになる。
花期は7-8月。茎に輪生する葉が層になってつくので、九蓋草、九階草の名がある。日本の本州に広く分布し、山地や高原の日当たりの良い草地に生育する。

 

オニシモツケ(鬼下野)
オニシモツケはバラ科シモツケソウ属の多年草。花期は6-8月で、白色ときに淡赤紫色の小さな5弁花を散房状につけ短毛が密生するのが特徴。今の北海道は、山地から深山の沢沿いのやや湿った場所に自生しています。

 

 

 エゾニュウ

エゾニュウはセリ科 シシウド属 一回繁殖型多年草。 北海道 本州北部から中部に分布しています。大きく立ち上がった中空の茎は上部で分枝し、初夏、多数の白い小花をつけます。

熊は主に甘みがあるこのエゾニュウの茎を食用としています。