太田屯田その9

太田屯田の赤松

「太田屯田の赤松」は、明治23年(1890)に第3中隊長の岩淵繁隆が、郷里の青森県から種子を取り寄せ、苗木にして植えさせたものでした。
 
当時の人々はこの木を見て故郷を思い出し、出立の時の決意を呼び起こすなど、不慣れな開墾や兵役に努力してきたことと思われます。
あまりの辛さに村を離れる者もおりました。
 
太田は最後の士族屯田兵でしたから、新潟県・山形県・宮城県からも旧藩士が入植しています。

赤松は、日本各地に広く分布する針葉樹ですが、北海道南部が自生の北限とされています。現在太田地区では、報国寺境内を始め、学校や個人の土地に点在して確認されています。
屯田兵の心の支えとして大きな役割を果たした赤松は、寒さの厳しい道東地方では非常に珍しく、太田地区の開拓の歴史を知る上でも貴重なものとなっており厚岸町指定になっています。

 
 
明治23年(1890年)6月 厚岸郡太田村南太田兵村 
           第四大隊第三中隊。220戸。
           厚岸郡太田村北太田兵村 第四大隊第四中隊。220戸。