明治6年 <島松駅逓所> 北海道最古の駅逓所
駅逓は、駅舎と人馬を備えて、宿泊と運送の便をはかるため設置されたもので、開拓期の北海道で重要な役割を果たしました。
開拓使が廃止される明治15年までに111の駅逓所が作られています。
それも、開拓が各地に広がっていくにしたがって増えていき全部で238駅、配置され馬の数は2835頭にもなりました。
代表的なものは、恵庭市(のちに島松川を挟んで移動したため現在の北広島市になります)にあった島松駅逓所で明治6年札幌本道(現在の旧国道36号線)が開通したのにともなって設けられました。
札幌農学校の初代教頭、クラーク博士が帰国の際に立ち寄り、
「Boys, be ambitious!(少年よ大志をいだけ)」の言葉を残した場所としても知られています。また、明治14年には明治天皇本道ご巡幸の際の行在所ともなりました。
明治17年から島松に入植し、寒地稲作の父とうたわれた中山久蔵が経営にあたっていました。
昭和59年、国史跡に指定され、当時の駅逓の構造を残す建築物としては道内最古のものです。
交通の面からだけでなく、北海道開拓に大きな役割を果たしましたが、その性格上、開拓の完了、鉄道の開通などによって役目を終え廃止になっているものも多くあります。1946年には制度自体が廃止になりました。
建物を復元または現存する駅逓所
奥行臼駅逓所 <別海町>
上藻別駅逓所 <紋別市>
島松駅逓所 <北広島市>
ソーケシュオマベツ駅逓所 <喜茂別町>(北海道開拓の村に復元)
忠別太駅逓所 <旭川市>
本願寺駅逓所 <沼田町>