いくしゅんべつ

幾春別町は三笠市の中心市街から道道116号で桂沢湖に向かったところにあります。
明治22年、幌内太(三笠)から幾春別までの鉄道が延長され、北炭幾春別鉱の採炭が開始されました。

北炭幾春別鉱の「錦立坑」は大正8年に建設された現存する中では北海道最古になります。櫓の高さ約10m、立坑深度195mあります。
1957年(昭和32)に閉山し、幌内線の終着駅であった「幾春別駅」は今は駅跡の碑と広場になっています。

もう20年以上も前になりますが、三笠市をドライブしていた時にイベントが開かれていました。どこでもある町の祭りでした。
その後、もう一度訪ねてみたくなりました。祭りで流れていた曲が気になっていたのです。

しかし、三笠市の地形を良く理解しておらず、そのイベントの場所がどこなのか全くわかりませんでした。
記憶に残っていたのは「幾春別」(いくしゅんべつ)というフレーズでした。
三笠市をいろいろ回ってようやく分かりました。

その曲は「幾春別の詩」作詞:阿木耀子  作曲:宇崎竜童
歌っていたのは倉橋ルイ子。
倉橋ルイ子は三笠市幾春別の出身で昭和34年の生まれ。

昭和34年はすでに北炭幾春別鉱は閉山していましたが、当時の三笠の人口は6万人で幾春別には児童数を誇る「奔別小学校」がありました。
幾春別川は、北海道の夕張山地中央部に端を発し、三笠市、岩見沢市を貫流して北村で石狩川に合流する、流路延長59km、流域面積332平方kmの河川です。

幾春別の詩 作詞:阿木耀子  作曲:宇崎竜童 歌:倉橋ルイ子

今さら想い出を
紐といてみても何になる
降り立つ駅には
人影も見えず
木洩れ陽だけがそよいでる
こんな町にもひっそりと
季節は巡り来て
行く春を惜しみながら
別れ唄をうたう

幾春別
トロッコの線路
辿って行けばその先に
幾春別
無邪気に花を摘む
幼い私がいるはずさ

昔のざわめきが
嘘のような家並に
置き去りにされた
自転車の車輪
風が吹くたび廻ってる
時がたてば
華やぐ町さえ面やつれ
行く春を見送るなら
目を閉じたままで

幾春別
心に刻まれた
セピア色のその景色
幾春別
北国の果ての
今は廃墟の故郷さ