江別人力軌道

鉄路の牽引には様々なものがありました。その究極が人による牽引です。
この人力軌道は北海道だけでなく全国でもありました。

明治35年3月、江別村の回漕業らが江別停車場ー江別川堤防間の、人力軌道敷設の特許が下されました。
広島や千歳、北村、樺戸、当別など千歳、石狩川沿岸地域から石狩川汽船で輸送されてきた農産物・雑穀は江別川(千歳川)に架かる江別橋下で陸揚げされたあと、荷馬車で500m先の江別停車場へ運ばれていました。区間が短いだけに貨車専用の人力軌道の敷設が必要というのが出願の理由でした。

江別村では個人の占有となれば村の発展を阻害するものと買収に乗り出し、江別村営人力軌道として明治38年1月に0.266キロが開業となりました。

昭和6年限りで営業は休止となり、昭和20年3月に戦時物資動員計画の軌道回収命令で廃止となりました。

写真は江別人力軌道のものではありません