有島武郎文学碑ー札幌市

有島武郎住宅(開拓の村にあります)

有島武郎に関する資料や碑、旧住宅などが札幌に多く保存されています。有島は東京生まれですが「北海道文学の父」と言われています。

明治32ごろの札幌で青壮年期の前後12年間を札幌で過ごしており、代表的な「カインの末裔」や「生まれ出づる悩み」など北海道を舞台にした名作を残し先駆的な役割を担っているためです。

大通公園の西9丁目の一角に「有島武郎文学碑」があります。建立は昭和37年。この年は有島の没後40年でした。

碑面には北海道に縁の深い作家、有島武郎の作品「小さき者へ」の次の一節が刻まれていますが、揮毫したのは、文芸誌「白樺」で有島とともに活躍した作家の武者小路実篤です。

「小さき者よ。不幸なそして 同時に幸福なお前たちの父と母との祝福 を胸にしめて人の世の旅に登れ。前途は 遠い。そして暗い。しかし恐れてはなら ぬ。恐れない者の前に道は開ける。行け。 勇んで。小さき者よ。」

母を失った札幌生まれの幼い三人の男の子へあてた書簡形式の小説です。