滝ノ澗ノ岬(たきのまみさき)

長い豊浜トンネルを抜けると余市町の豊浜地区に出ます。余市漁港(湯内地区)があり、湯内川に沿うように集落があります。
余市漁港(湯内地区)は蛸穴ノ岬と滝ノ澗ノ岬に挟まれた自然の港で、湯内川が港に注いでいます。民宿が三軒ありますから人気の釣り場やダイビングができるのかも知れません。
また、滝ノ澗ノ岬はトンネル(1,321m)で見ることはできませんが、沖合600mのところに「ローソク岩」があります。滝ノ澗ノ岬のシンボルですから、船を出して観光用に船を出すことあるのかも知れません。

しかし、豊浜トンネルを抜けて200mほどで滝ノ澗トンネルに入ります。よくよく地形を調べておかなければ、一瞬で過ぎてしまいます。

古平と余市の間の海岸は険しい断崖に阻まれ海岸道路が設置できず、かろうじて余市町沢町から海岸に道路が敷かれましたが、それ以外は1908(明治41)年の車道の開削以来、山道に頼っていました。山道の延長は1里23町59間で、冬季は通行止め、滝ノ澗ノ岬の山側に湯内トンネルが1本あっただけです。
1948(昭和23)年、ようやく海岸道路事業に着工。1958(昭和33)年10月竣工しました。この事業ではほかに梅川、ワッカケ、豊浜、古平の各トンネルが掘られ、滝ノ澗トンネルは1951(昭和26)年、豊浜町側から掘削開始し68mまで掘進しましたが年内に工事は一旦中止。
1953(昭和28)年5月再開し12月に貫通、1954(昭和29)年10月に竣工しました。この時の延長は385m。
1957(昭和32)年2月7日早朝、豊浜側の坑口付近ががけ崩れが発生し春から坑口を巻き立て・延長する工事が行われ、1958(昭和33)年竣工しトンネルの延長は414mとなりました。

現在の滝ノ澗トンネルは平成12年に開通したもので1,321mあります。