道立北海道文書館(もんじょかん)が、1960年代の半ばに民放テレビ局が制作した「新たに視聴区域となった市町村の紹介番組」のフィルムを保管していました。半世紀も前の65市町村の映像ですから、今は失われてしまった町や村の風景です。ネットに載せることはできませんので感想を含めて紹介します。
尚、このCDは現在「北海道立図書館北方資料室」にあります。
私が借りた時は「北海道立文書館」でしたが変わりました。
まつまえ 1968年(昭和43年) 18分 白黒 音声なし
半世紀前の映像なので音声がないのが大変残念ではあります。
孟宗竹
松前藩の殿様は京都の生活にあこがれがあったのでしょう。佐渡から竹を取り寄せて植えていました。
松前町の奥まった所に、最北の孟宗竹として残されています。とても北海道にいることを忘れてしまいます。
列車
松前駅が開設されたのは昭和28年のことです。北海道新幹線が最初に上陸になる木古内駅からは、12駅ありました。当初は福山線と言っており、これは松前の城は福山城だからです。昭和63年に松前線の廃線と同時に廃駅となりました。
終点松前駅の手前には松前城があり、お城の下にトンネルがあり終着駅に向かう路線でした。桜の季節になると、城と桜がよく似合う町です。函館には五稜郭があり城と間違えられやすいのですが、五稜郭は要塞の役割を果たしているので城下町ではありません。
それに対して松前城は江戸時代末期に建造されたお城なので、北海道で唯一の城下町なのです。
法幢寺(ほうどうじ)
松前家の菩提寺である法幢寺が映されており歴代の藩主の墓が並んでいます。
この寺は松前藩の始祖といわれる武田信広からはじまり、五代目慶広が松前藩を興し、明治に入り第14代松前修広の廃藩置県で終わるのですが、合わせて18名の墓があります。毎年お盆にはお墓参りで人口が増えるといわれています。
大島と小島
大島と小島が映っています。日本海沿いに国道228号を上の国町に向けて北上すると見えてきます。半世紀ほど前には、この日本海はまだ漁業が盛んだったのでしょう。松前昆布やアワビ、そうして海女の姿もあります。松前マグロではなくイカがたくさん獲れていたようです。
大島と小島は、松前郡松前町に属する無人島です。この無人の島は、町営の農場から良く見えるのですが、この町営牧場(牛)も映されています。
松前小島とも呼ばれ松前町の沖約23km付近に位置し、更に60km沖に大島が見えます。
2017年2月、北朝鮮の木造船が上陸して家電製品を持ち出したという島です。
松前追分
最後に松前追分が踊りと一緒に入っているのですが、これは是非聞きたいものです。
いずれにしても、「まつまえ」は徳川幕府が設立されたときに「松前藩」となった町です。
北海道の他の市町村とは違った歴史があるため、ナレーションを是非入れていただきたいと思います。
松前の桜は有名ですが、桜の松前にした人はこちらです。 鎌倉 兼助
以上