国稀は明治15年、初代本間泰蔵が、増毛郡役所に醸造免許鑑札願いを届け出て創業しました。本間泰蔵は、嘉永2年(1849)新潟県佐渡の仕立て屋の三男として生まれ、明治6年23歳で小樽に渡り呉服店の養子格の番頭として働き、ニシン景気でわく増毛にしばしば行商で来ていましたが、明治8年に増毛に移り住み呉服商を始めました。
 

明治15年には「丸一本間」を名乗り本業の呉服商の他に、荒物雑貨販売、呉服雑貨や漁獲物の輸送のためだけではなく地域住民の需要を満たす海運業当時この地第一の産業であったニシン漁にも手を拡げ醸造業も始めるに至りました。

当時、日本酒の多くは本州からの移入酒で、決して安いものではありませんでしたが、佐渡の知人に酒屋がいたことから知識があった泰蔵は、当地での自家醸造を思い立ったとされています。