洞爺湖電気鉄道(とうやこでんきてつどう)

昭和3年、鉄道省長輪線(現JR北海道・室蘭本線)の静狩 – 伊達紋別間が開通し、虻田町の町域南部に虻田駅(現・洞爺駅)が開設されることが決定したのを受け、洞爺湖南岸にある洞爺湖温泉を結ぶ目的で計画されました。

洞爺湖温泉は大正6年に発見され、翌年温泉宿ができていました。
温泉への行楽客と、洞爺湖対岸の洞爺村早月の鉱山から産出される金鉱石や褐鉄鉱石の輸送のためです。

地方鉄道を出願したのは、小樽の実業家であり政友会代議士の板谷順助が発起人代表でした。工事は昭和3年3月にはじまり12月に完成。
虻田ー洞爺湖温泉間7.2キロと、貨物専用線として洞爺湖温泉ー湖畔間1.4キロで、電力は北海水力電気からの買電で昭和4年1月から営業が開始。
1日10往復で所要時間は22分でした。

旅館も増加し順調な出だしでしたが、貨物収益を見込んでいた洞爺鉱山が昭和4年8月に休鉱してしまいました。
これが影響して次第に経営不振となり、昭和16年5月に廃止。

駅一覧 (括弧内の数値は起点からのキロ数)

虻田駅(あぶた、0.0)ー 見晴駅(みはらし、5.2)ー 洞爺湖駅(とうやこ、7.2)ー 湖畔駅(こはん、8.8)

見晴駅は旅客扱いのみの駅。洞爺湖 ー 湖畔間は貨物線で、湖畔駅は貨物扱いのみの駅。