湧別平野(ゆうべつへいや)

湧別平野はオホーツク海の中央部に位置し、北海道で最大の湖・サロマ湖を抱え北見峠に水源を持つ湧別川流域に肥沃大地が広がる平野です。
平地やゆるやかな起伏のある大地が広がり、標高の高い山は比較的少なく内陸部に点在する程度です。

一級河川の湧別川下流から河口に位置するため、肥沃な恵ある大地では畑作が、山間や河口域では乳牛飼育による酪農が盛んで、牧歌的な景色が広がります。
また、道内最大のサロマ湖は静かで雄大な景色を楽しませてくれます。

気候はオホーツク海型気象地帯としての特色をもち、四季を通じて比較的気温は高く、降水量は年間720mm前後、平均気温は5.8℃前後となっており、最高気温は29~34℃、最低気温はマイナス18~26℃です。

明治30年に屯田兵の入植が始まり、明治43年鉄道が開通し、開拓に拍車をかかり耕地は増加しつづけました。開拓が上流域に広がったことを受けて、農地面積拡大のための森林伐採が行われました。
木材は湧別川を使って河口まで流送し、木材積取船に搭載され運ばれたといわれています。

湧別川流域に初めて和人が定住したのは1790年(寛政2年)と言われ、まず豊かな漁業資源をめあてに、河口付近に漁番屋を置き、その後、内陸の平野部へと鍬を入れて行くことになります。
和人の入植がはじまった当時の湧別川河口はサケやマスはもちろんのことイトウ、キュウリ、チカ、ボラ、ソイ、ホタテなどの豊かな漁場でした。

明治時代に入り、その頃は漁業従事者が多く、農業移民が湧別に入ったのは明治15年になります。