昭和11年の第三回芥川賞は福岡生まれの鶴田知也が受賞しました。

北海道を舞台とした小説としては初めての快挙で、タイトルは「コシャマイン記」です。

書き出しは次の通りです。

「勇猛を以って聞えたセタナの酋長タナクシが、6つの部落を率いて蜂起した時、日本の大将カキザキ・ヨシヒロは偽りの降伏によってタナクシをその館に招き入れ、大いに酔わしめて之を殺した。」

鶴田は昭和の初めに八雲に旅行に来て、アイヌのことを調べて小説にしました。しかし「当たらずも遠からず」で鶴田の創造で書かれたものです。

セタナは現瀬棚町、タナクシはコシャマイン、カキザキ・ヨシヒロは武田信広のことです。