とよとみ町名の由来はアイヌ語のエベコロベツ「魚(食物)を持つ川」からで、天然資源に恵まれた土地であったことから、なんでも豊富(ほうふ)で豊富(とよとみ)となりました。
明治11年天塩郡沙流村として村名を設置しましたが無人でした。
明治33年、上サロベツ原野の国有未開地の貸し付けが始まり、岐阜団体長の梅村庄次郎は2年後に兜沼に460町歩の無償貸し付けを受けて入地しました。
当時はアイヌ人の音吉が狩猟の目的で小屋を建て、月に一度抜海(バッカイ)を往来するだけでした。(抜海は稚内の沿岸)
梅村は一度帰郷して翌年岐阜団体として、小作12戸を率いて移住しましたが、移住者は離散し梅村だけが音吉と力を合わせて農耕に従事し、明治40年に妻子を伴い移住しました。
(サロベツ原野は広く、上サロベツと下サロベツがあり、下サロベツは隣町の幌延町になります)
サロベツ湿原センター
稚内から日本海沿岸を通る道道106号で南下すると、豊富町の稚咲内(わかさない)海岸になります。(約60キロ)
海岸とサロベツ原野の間に原始砂丘林 が生い茂り、ここからの利尻富士は海に浮かぶ秀峰の眺めとなります。
この稚咲内のT字交差点から道道444号に入ると豊富の市街で国道40号と交差します。そうして途中に「サロベツ湿原センター」があります。
「サロベツ湿原センター」は2011年にオープンしました。大きな施設で「人と自然の共生」をテーマに、太陽光発電や、ヒートポンプ暖房など、自然エネルギーを利用し、化石燃料に頼らない環境に配慮した建物です。
湿原の成り立ちや、そこに生息する動物や花々、かつて行われていた泥炭採掘の歴史などについて、写真やパネル、映像資料から知ることができます。
この施設は映画『北のカナリアたち』のロケ地としても使用されたといいます。
豊富温泉
大正15年、村井鉱業が石油試堀中に天然ガスと温水が噴出。これが豊富温泉となりました。
昭和7年から昭和50年まで天然ガス発電が行われ、最北の温泉として昭和57年以降町営ホテルなど施設整備が進められました。
全国的にも類のない泉質を持つ温泉として知られています。豊富温泉の油分を含んだお湯は、石油の臭いも特徴のひとつで、保湿保温効果が高く美肌の湯としても知られています。
近年では、アトピー性皮膚炎や乾癬等の慢性皮膚疾患で、お悩みの方々からも注目され、全国から多くの方々が、 湯治(とうじ)に訪れています。