稚内港の防波堤としての役割および、桟橋から駅までの乗り換え通路を兼用するため、1931年(昭和6年)から5年間をかけて建設され昭和11年に完成。

設計者は土谷実。北海道帝国大学を卒業して3年の26歳で、稚内築港事務所に赴任してきた北海道庁の技師でした

北海道と樺太を結ぶ鉄道連絡船(稚泊連絡船)の桟橋など港湾施設の保護および、桟橋を利用する乗客の便宜のために作られました。間組(現安藤ハザマ)が施工。

防波堤の外観としては異色の、ドーム状の形態を取っていることから名付けられ名前で、長さ424mにわたって続く古代ギリシャ建築を彷彿とさせるエンタシス状の柱列群は、斬新で新しい建築物の印象を与えています。

建設後、稚内駅からドームの手前まで国鉄の線路が延長され、稚内駅の構内仮乗降場扱いで稚内桟橋駅が開設され、乗客はドーム内を歩いて桟橋に待つ連絡船に乗り込んだといいます。

現在は北海道遺産の一つとして指定されており、CMやテレビドラマなどのロケ地としても知られるほか、さまざまなイベントに用いられています。