ムツゴロウの無人島記ー浜中町

左の写真は、浜中町にある霧多布半島のアゼチの岬からの景色です。琵琶瀬湾に突き出た岬で、小島・ゴメ島・嶮暮帰島を望め、真夏の落日は絶景ポイントになります。

正面に見えるのが「小島」ですが、その奥に平たいテーブル状の島が「嶮暮帰島けんぼうきとう」です。
この島を一躍有名にしたのは、ムツゴロウこと畑正憲でした。昭和46年4月から翌年まで一年間住んだ無人島です。

ムツゴロウの無人島記の一節
「島が属している琵琶瀬村(現在の浜中町)の漁師が中心になって、ムツゴロウを励ます会を開いてくれた。その日は、奇しくも私の36回目の誕生日であり、娘は私に手製のハチマキとフンドシを贈ってくれた。会は霧多布久方ぶりの盛会とかで、出席者は80名を越えた。その会で、琵琶瀬の代表者はこう話してくれた。はじめ俺たちは、金持ちの気まぐれだと思った。ところが、俺たちと同じことをしようとしている。こういう人に協力しないのは変な気がしてくる。俺たちの郷土をじっくり見てください。応援する力だけはあるから」約束は本当だった。

「とうとう私たちは約一年間、北辺の小島で暮らした。三月か四月で音を上げるさという大方の予想を裏切ったのは誠に申し訳ない次第であるが、かくて一年の歳月はあっという間に流れ去った。」
「さて、島から陸へ上陸したのは、悲願を達成するために島が手狭になったからである。島の数十倍の土地に、私は今、王国を築き始めている。むろん、島で育てた動物はすべて引き連れて」

王国は浜中町のはずれにある海岸段丘で広さは45町歩。約13万坪。上の動物園が約4万坪なのでかなりの土地を無料で提供してくれました。

ムツゴロウ動物王国は平成16年に閉国しました。