南茅部町(みなみかやべちょう)は、渡島支庁中部にあった町です。
2004年(平成16年)12月1日に函館市に編入されました。
みなみかやべ町名の由来は、アイヌ語のカヤウンベシュ(帆のがけの意)からです。
北海道唯一の国宝・中空土偶が出土され、数多くの遺跡があります。
大船遺跡 (おおふね いせき) 大船町
太平洋に面した海岸段丘上に立地し、縄文時代前期後半から中期後半(紀元前3,200年~紀元前2,000年頃)の大規模な集落遺跡。100棟を超える竪穴建物跡からなる住居域と大規模な盛土遺構があり、その南西には墓や貯蔵穴を含む100基以上の土坑墓群が確認されています。
垣ノ島遺跡 (かきのしまいせき) 臼尻町
臼尻町に所在する縄文時代の遺跡。 道内での同時代の遺跡として最大規模であり、縄文時代早期前半の墓制、駒ヶ岳噴火による集落断絶、後期初頭の盛土遺構から後期後半に至るまでの縄文集落の変遷と生活痕跡が確認できます。
著保内野遺跡(ちょぼないのいせき) 尾札部町
尾札部町に所在する縄文時代後期後半頃の墳墓である。出土遺物の土偶は2007年に北海道初の国宝に指定されています。
1677年に大型定置網漁法を取り入れたといわれ、「北海道建網大謀網漁業発祥の地」碑が黒鷲岬に立っています。
尾札部は東蝦夷6場所の一つとしてコンブ・ナマコの名産地でした。
臼尻も古くから漁業で栄え、19世紀初頭には南部商人が入り、江戸へ塩鱈を搬出していたといいます。
明治10年に官業鱈肝油製造所が作られるほど臼尻はタラの本場の良港でした。
タラと並んで名産はコンブでした。
特に鹿部から南茅部に分布する真昆布を「白口真昆布」、別名「ひろめ」と呼び松前藩が朝廷や将軍家に献上していた最高級昆布でした。
寒流の親潮、暖流の対馬海流が交わり、遠浅で照度があり成長に必要なケイ素を多量に含む流紋岩地帯で河川水が流れ込むことから条件が整っていました。
昭和34年に 茅部郡尾札部村(おさつべ)、臼尻村(うすじり)が合併、南茅部村となり、9月1日 町制施行し南茅部町になっていました。