夏堀正元ー積丹町

小樽生まれの夏堀正元の「ダイヤモンド・ダスト」は、小樽など道内の各地が舞台となっています。

主人公の幹太とトリ子は小型ジープで余市から積丹半島に向かいます。

「古平をぬけて美国に入ると、そこはソーラン節のふるさとと言われていて、ニシン御殿がそのまま旅館として残っていた。黄金岬にある「ソーラン節」碑はそのシンボルだが、旅館で食事をおえて更に先端へ車を走らせる。

島武意(しまむい)海岸

ジープを降りて短い急坂をのぼると、小さなトンネルがみえた。内部は人間が立ったままでやっと通れるような、暗い洞窟がつづいていた。幹太がおそるおそる内へ足を踏み入れると、暗がりの彼方でゴオーッという風の咆哮が聞えた。7、80メートルも歩いて抜けたとたん、眼前に広大な海原が忽然と展けた。そこは東北端にある幌武意海岸で、積丹半島がすぐ右手につづいている。」