旧有島武郎住宅1 ー札幌市

「私が君に初めて会ったのは、私がまだ札幌に住んでいる頃だった。私の借りた家は札幌の町端れを流れる豊平川という川の右岸にあった。その家は堤の下の一町歩程もある大きな林檎の中に建ててあった」

これは、小説「生まれ出づる悩み」の一節で、明治43年の晩秋、岩内の漁夫画家木田金次郎(小説では木本青年)が訪ねてきた場面です。

札幌市白石区菊水1の1に「有島武郎宅跡地」の案内板が建っています。

建物は厚別区の開拓の村に移設して一般公開しています。
解説には「日本近代文学史上の代表的作家の1人である有島武郎〔明治11年(1878)~大正12年(1923)〕が明治43年(1910)5月から翌年7月頃まで住んだ建物です。一般の住宅にも、上げ下げ窓などの洋風意匠を取り入れ始めた頃の建物です。 
建築年代 明治37年(1904)・旧所在地 札幌市白石区菊水1-1」
写真は、開拓の村の有島宅の表札です。