佐藤春夫文学碑ー豊頃町
十勝の豊頃町を流れる十勝川河口の大津市街地から南西約4キロの地点に長節湖があります。
「秋刀魚の歌」の詩で知られる佐藤春夫の詩碑が建てられています。
蝶伏のうららかに 咲くやはまなすえぞきすげ
にほふ岸べのゆかしきに うべ春しほの寄せ来る
佐藤春夫文学碑
昭和41年7月25日建立
何故、十勝の豊頃町に佐藤春夫の文学碑があるのかいえば、彼の父・豊太郎が入植していたからです。
豊頃町十弗に春夫の実弟で母方の竹田家を継いだ竹田夏樹宅があります。
明治31年、父豊太郎は北海道を視察した時に、十弗原野の開墾を計画し、明治40年和歌山県東牟婁郡新宮町(現・新宮市)にあった病院を一時閉鎖し、十弗にて農場経営に着手しました。
春夫の実弟竹田夏樹は父の開墾地を郵便局長をしながら守りぬいてきていました。
長節湖を「蝶伏」とよむことが佐藤春夫の詩人たる所以なのでしょう。