明治5年 <簾舞(みすまい)通行屋>
札幌市南区簾舞1条2丁目
簾舞通行屋(みすまいつうこうや)は、明治4年に開通した「本願寺道路」の宿場で開拓使によって明治5年に建築されました。
本願寺道路は深い原生林に囲まれた幅3m以下の道路で、明治期にはすでに湯治場だった定山渓まで休息する場所はここだけでした。
当時の政府の命を受けて屋守となった九州出身の黒岩清五郎は、この辺りの最初の定住者として、通行人に宿を提供しつつ周辺の開拓に取り組みます。
札幌に残る唯一の通行屋であり、地区最古の開拓農家であり開拓使初期の家屋構造を伝える建物として、今では簾舞郷土資料館「旧黒岩家住宅(旧簾舞通行)」として札幌市指定の有形文化財となっています。