二風谷ダム 6 二風谷ダム建設差し止め訴訟
アイヌ関係者のうち萱野茂と貝沢正の両名はアイヌ文化を守るため頑強にダム建設に反対しました。
所有する土地に対する補償交渉に一切応じず補償金の受け取りも拒否します。
このため北海道開発局は両名への説得を断念し土地収用法に基づき1987年(昭和62年)に強制収用に着手。
これに対し両名は強制収用を不服として1989年(平成元年)に収用差し止めを事業者である建設大臣に求めたが1993年(平成5年)4月にこれは棄却されました。
請求棄却に反発した両名は翌月土地収用を行う北海道収用委員会を相手に札幌地方裁判所へ行政訴訟を起こします。
いわゆる「二風谷ダム建設差し止め訴訟」です。
両名とその弁護団はダム建設の差し止めを求めましたが、真の目的はアイヌ民族の現状を広く一般に認知させ、アイヌ文化を国家が保護・育成させることでした。
この間、萱野茂は日本社会党の参議院議員([比例代表区]])として国政にも参与しています。