霧の室蘭

油絵 ボードF4 240×330 2020年6月制作

函館山、天狗山(小樽市)と同じように室蘭市には測量山があります。
共通しているのは山の斜面に家々が重なるように連なっていることと、坂にユニークな名前が付けられていることです。日常生活に苦労する坂道に、親しみを込めて名付けてきたのでしょう。

そもそも、室蘭の語源はアイヌ語の「小さな下り坂」という意味です。
旧室蘭駅舎向かい側に「日本一の坂」というのがあります。
明治36年、この辺りに「福井庵日本一」という蕎麦屋が開店しました。この主人は小樽で殺人を犯した流れ者で、夫婦喧嘩の時に妻が「人殺し」と口走ってしまいます。別件で刑事が訪れることになっており、一晩悩みピストル自殺をしました。街の人は流れ者の末路を教訓として、この坂を「日本一」と名付け今も語り継がれています。

明治に入って室蘭に開拓で入植した人たちは、坂と共に室蘭湾から流れてくる濃霧にも苦しめられました。
日中に訪れると、どこを回っても大変美しい景色を拝めます。ところが、早朝に行ってみると街中や海岸は霧で何も見えません。坂道を見上げると薄っすらと測量山に立つアンテナが見えました。

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