石狩灯台が全国区になったのは、1957年(昭和32)に制作された『喜びも悲しみも幾歳月』の映画でした。
今の若い人には、この映画は分からないと思います。日本各地の辺地に点在する灯台を転々としながら駐在生活を送る灯台守夫婦の25年間を描いた長編ドラマです。
石狩灯台は白と黒の縞模様でしたが、カラーが出始めたころで色彩効果を出すために赤白模様に塗り替えられたのです。若山彰の歌も大ヒットし、この灯台のふもとで聞くことができます。
この灯台を描いていて不可解だったのは、白と赤のバランスが取れなかったことです。おかしいと思い調べてみると、映画の時に塗り替えられたものとは違っていました。塗料が剥がれる度に、何度か塗り替えたようで、木下恵介監督が指示したものと変わっていました。石狩市もペンキ屋さんも、そこまでは考えていなかったようです。