現在の稚内駅は、これまでに3回移動しています。
最初の稚内駅は現在の南稚内駅で1922年(大正11年)に開業。当時は宗谷線ではなく天北線でオホーツク回りでした。
1923年(大正12年)5月1日から、日本の統治下にあった南樺太の大泊町に連絡する鉄道連絡船「稚泊航路」の運航が始まりました。
1924年(大正13年)11月10日に稚内連絡待合所が、現在の稚内駅近くに建設されましたが桟橋まで稚内駅から約2 kmあり、旅客は徒歩で、貨物は荷車で連絡していました。
港の防波堤としての役割および、桟橋から駅までの乗り換え通路を兼ねて1931年(昭和6年)から5年間をかけて建設されたのが、北防波堤ドームです。
従って、稚内駅は約2 km延長されていました。

北防波堤ドームの設計者は26歳の土谷実。北海道帝国大学を卒業して3年で、稚内築港事務所に赴任してきた北海道庁の技師でした

ドーム状の形態を取っていることから名付けられ名前で、長さ424mにわたって続く古代ギリシャ建築を彷彿とさせるエンタシス状の柱列群は、斬新で新しい建築物の印象を与えています。歩いて桟橋に待つ連絡船に乗り込んだといいます。

現在は北海道遺産の一つとして指定されております。