借りた物を返すときは よその家へ、いきなりとびこんだ繁次郎。その長い通し庭のすみの方をゆびさして、「この土間のすみっこ、ちょっくら貸してくれ」 家人ふしぎそうな顔で、「ああいいとも。つかってくれ」 繁・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 36 (畑には家は建てられない)
畑には家は建てられない 繁次郎、ある家をたずねていくと、「いろり」の灰にイモをうずめて、たき火でほっかりやいている。 おいしそうなそのにおいをかいだ繁次郎、のこのこと上がりこみ、いろりの前にどっかとす・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 35 (家宝のハラワン)
家宝のハラワン 暮れもおしせまって、借金の取りたてがきびしくなってくると、ふだんのらりくらりの繁次郎もだんだん心配になってきた。 ことに、「おれの家には先祖から伝わった宝物-家宝ーがあるから、いくら借・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 34 (頭も名人)
頭も名人 「俺はニシンつぶしの名人だ」というふれこみで、雇われたものの、さっぱり働かない繁次郎に腹をたてた親方、このホラふきの繁次郎をぎゅうととっちめてやろうと、大樽にいっぱいニシンを入れて、繁次郎を・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 33 (江差の繁次郎)
江差の繁次郎 札幌方面から国道227号で江差町に入ると、海に沿って道の駅があります。 「笑え 笑へば ええごとある」 笑いの守り神に出会う駅です。 “江差の五月は江戸にもない”といわれたころに、実在・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 32 (斜里ウトロのオロッコ岩)
斜里しゃりウトロのオロッコ岩 斜里から、知床半島へ向かう途中に宇登呂うとろ部落がある。この港の沖に怪獣かいじゅうに似た岩ばかりの島があり、昔はこの島に、オロッコ族が住んでおった。 この島の附近を通ると・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 31 (化物に憑かれた夫)
化物ばけものに憑つかれた夫 北見きたみの斜里しゃりに、イペランケという老婆ろうばがいた。この老婆の若い時の話である。 イペランケは、毎日海でアザラシを捕とって生活をしておった。 ある日、美しい斑点はん・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 30 (斜里の老狐)
斜里しゃりの老狐ろうこ 昔、斜里に一匹の歳をとった狐きつねが住んでおった。老狐はいつも、漁場の蔵の屋根の上で昼寝をしていた。 アイヌの人々は、この老狐を神様として敬うやまい、誰も悪戯いたずらをする者は・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 29 (礼文島漂着伝説)
礼文島漂着伝説れぶんとうひょうちゃくでんせつ 昔、その昔の太古の時。 天塩の沖にあった利尻島りしりとうに一人の男を知らない、美しい女神めがみがおった。 ある年のこと、支笏湖しこつこの水があふれ、洪水こ・・・ (続きを読む)
北海道のむかし話 28 (網走の地名伝説)
網走あばしりの地名伝説 昔、網走をチバシリと呼んだ。チバシリは、私の見つけた岩というようにいわれている。 網走湖畔に白い立岩があり、その岩は、人が笠をかぶって立っているように見え、この岩は神様の化身と・・・ (続きを読む)