長万部の静狩峠に金山が開かれたのは昭和8年のことです。
静狩金山は国鉄室蘭本線静狩駅の北方約1kmの所に位置し,交通の便が極めて良く,平坦な海岸段丘と海が前面に聞けているという点で他の道内金山とは違って,著しく立地条件に恵まれていました。

(写真は、当時の坑内実測図)

本金山は明治中頃に発見され,大正5年頃から開発されていました。
その後川崎造船所,住友合資会社等の独占的鉱業資本の手を経ながら,戦前においては昭和18年の金鉱業整備まで操業を続けました。
戦前の最も盛んな一時期においては,鴻之舞に次ぐ金山として豊富な鉱脈,産金量を誇っていたこともあったということです。戦後の2度の再開の中で少量の生産をみたこともありましたが,昭和37年8月の閉山以来,現在に至っています。