南極観測樺太犬記念碑(稚内公園)

 
昭和30年(1955年)国際地球観測年を期に日本が初めて南極観測に参加することが決定されました。
極地での輸送手段に犬ゾリが選ばれ、北海道各地から樺太犬が集められ稚内公園で約8ヶ月間厳しい訓練が行われました。
昭和31年11月に東京を出発した観測船「宗谷」は、翌年1月ついに南極大陸を発見、第1次越冬隊は前人未踏のオングル島へ到達し、そこを昭和基地と命名しました。
マイナス30度を超える寒さとブリザードの吹き荒れる中、犬ゾリは1年間の任務でおよそ1,600kmを走破したといいます。
昭和33年2月交替要員を乗せた「宗谷」は、再び南極大陸へと近づきましたが、厚く大きな氷に阻まれ身動きがとれなくなり、上陸を断念し第1次越冬隊員だけを収容して日本へ戻ることになりました。

このとき、1年間犬とともに過ごしてきた隊員たちは必ず交替要員が来るもの
と信じ、鎖につないだまま15頭の犬達を昭和基地に残すことになったのです。

そして1年後の昭和34年、第3次越冬隊が再び南極を訪れたとき、ヘリコプターから白い大陸を元気に駆回る2頭の犬を発見。
それは、タロとジロの姿でした。

タロとジロの奇跡的な生存のニュースは、日本のみならず世界中を駆けめぐり感動を与えました。
この事実は昭和58年に「南極物語」として映画化され、空前のヒットとなりました。