花咲線

釧路駅~根室駅は「花咲線」(はなさきせん)の愛称が付けられています。
釧路以東への延伸は、大正6年に厚岸、8年に厚床、そして大正10年に根室まで開通し根室本線となりました。

「花咲線」の区間は、釧路駅から帯広方面の西とは運転系統が分離されており、快速列車が「はなさき」1往復と「ノサップ」下りのみ1本、普通列車の往復を合わせると計6往復が運転されています。また、釧路駅~厚岸駅間は早朝と夜間の2往復です。
釧路~帯広と比べて、エゾシカの線路侵入が著しく他の鉄路と違い「のどかさ」があります。

この花咲線も廃線の候補として上がっています。
釧路から根室までは、国道44号を車で走っても2時間かかるので北海道の広さが実感できます。
落石あたりの海岸は北海道以外ではまず見られない景色で、太平洋に浮かぶ「ユルリ島」「モユルリ島」は息を呑むでしょう。島の形がテーブルのように平で、初めて見た時は、異様に映りました。
しかし、北海道に観光で来る人たちは「道東」といえば釧路・阿寒までで、この花咲線に乗って根室までを訪れる人は稀です。

ところが、今の北海道で唯一北海道が残っているのは、この小指の先ほどの花咲線だけといっても良いでしょう。
どこの町を訪れても、街の景色は同じ看板が並ぶのでガッカリするのです。
花咲線は「厚岸」にイオンのスーパーがありますが、厚岸町を過ぎると、ここから先はありません。

釧路から根室への道なき道を、今から250年前に近藤重蔵や間宮林蔵が歩いた道です。そうして、納沙布岬からは国後が手のとどくような所に見え、根室海峡を辰悦丸が帆を脹らませて走っているように見えます。
2月7日「北方領土の日」は、高田屋嘉兵衛が仲介して成立させた「日露和親条約」の記念日です。(画像は納沙布岬からの朝日です)

最東端駅は根室駅ではありません

花咲線の終点は「根室駅」ですが、この駅が日本の最東端駅ではありません。
線路は根室駅の一つ手前にある「東根室駅」を迂回して根室港に入っていきます。東根室駅には、記念写真となる「最東端駅の立札」があります。

花咲線は、廃車となった貨車を利用した「ダルマ駅」(無人駅)の多い区間で、駅を探すのに一苦労です。カーナビには、確かに駅のマークは表示されますが、駅までの道も案内もありません。
駅とは言っても貨車駅ですから、線路を見つけてたどるしかありません。
今は廃駅となりましたが、私が訪れた時は現役で「花咲駅」をようやく見つけた時は「感激」。
更にどこからともなく街の人が2人現われて列車を待つ姿は感動でした。