松前駅が開設されたのは、昭和28年のことです。北海道新幹線が最初に上陸になる木古内駅からは、12駅ありました。
当初は福山線と言っており、これは松前の城は福山城だからです。昭和63年に松前線の廃線と同時に廃駅となりました。

松前駅跡近くの老舗旅館に泊まったことがあります。
女将が城下町時代のことを話してくれました。松前の市街地は、車で通ると10分もかかりませんが、この間に商人の街・武士の街・漁師の街と今でも3つに分かれているといいます。

商人の街は、国道の入口からお城までを占領しており、武士の街は、未だに気位の高いのが抜けません。女将の先祖は漁師だったといいます。
この町はお寺が多く、先祖代々のお墓があるため、お盆には全国から町を出た人たちが戻ってくるそうです。

終点松前駅の手前には松前城があり、お城の下にトンネルがあり終着駅に向かう路線でした。桜の季節になると、城と桜がよく似合う町です。
函館には五稜郭があり城と間違えられやすいのですが、五稜郭は要塞の役割を果たしているので城下町ではありません。
それに対して松前城は江戸時代に建造されたお城なので、北海道で唯一の城下町なのです。