二風谷ダム 8

被告である北海道収用委員会と事業主体である国は控訴を行わず、判決は確定しました。
この判決はアイヌ民族を先住民族として認めた画期的なものであり、7月には政府が差別的法律として悪名高かった北海道旧土人保護法を廃止し、アイヌ文化保護を目的としたアイヌ文化振興法が成立。

アイヌ民族長年の悲願が実現したのです。

同時にアイヌ文化振興・研究機構が発足し、萱野が1991年(平成3年)に立てた二風谷アイヌ文化博物館を水源地域対策特別措置法の国庫補助対象としてアイヌ文化・アイヌ語伝承や文化財保護の拠点として拡充させました。
建設省はさらにアイヌ関係者との間で既に合意していたチプサンケの代替地を8月に完成させ、これと連動する形で二風谷湖水祭りが同時開催されてアイヌ文化に触れ合う機会を整備しました。