二風谷ダム 2

沙流川は日高支庁において鵡川と並ぶ規模の大きい一級河川です。流域は競走馬の産地として知られる門別町などがあり、古くから競走馬が生産されてきました。
しかしほとんど河川改修が行われない手付かずの原始河川であり、上流域は急峻な日高山脈であることもあって一挙に洪水が下流域に押し寄せ、水害の常襲地帯となっていました。

戦後もこの状態が続き、競走馬の生産も活発になっていたことから莫大な資産を保護するための治水対策は急務でした。

一方で競走馬生産のほか農地も拡大、これに伴う農業用水の使用量が増大する一方で灌漑設備は乏しく、安定した農業用水の供給も必要になっていました。
さらに高度経済成長期には苫小牧市や室蘭市といった道南地域の工業地帯が拡張され、北海道経済の伸長に弾みが付いていました。
こうした背景があって電力と工業用水道の確保も次第に求められていたのです。