小樽駅前の国道5号を左に10分ほど歩き、二つ目の交差点を左折し階段を上がると神社が見えます。龍宮神社の創建は明治9年です。

龍神神社

明治9年頃、この辺りは榎本武揚と北垣国道が共有するものでした。
榎本は箱館戦争の敗者で黒田清隆の歎願で許され開拓使に在職していました。
北垣国道は後に第四代目の北海道庁長官となった人物です。

新政府からの払い下げを受けた土地の開拓を始めるにあたって、両者が作業の無事を祈願して建てた小さな祠が始まりでした。
榎本は小樽に土地開発会社の「北辰社」を設立し、今の小樽駅から小樽港に向かって左側の土地を買い上げ、多数の会津藩士を移住させました。

龍宮神社が人々の信仰を集めるようになったのは、代々の宮司が鰊の「群来」を的確に予言したからです。
榎本は移民の安意を図るため「北海鎮護」の額を龍宮神社に献納したのですが、この額は直筆で今なお残っています。

2008年8月9日にどのような経緯があるのかは知りませんが、麻生太郎(元首相)が参拝し、榎本武揚の銅像を囲むように「桜」と「おんこ」を植樹しています。

因みに、榎本武揚像で左手には箱館戦争で新政府の大将であった黒田清隆に贈った「海津全書」、右手には「羅針盤」です。