旧上砂川駅は廃線と同時に廃駅となりましたが駅は残っています。

1987年(昭和62)7月14日に三井砂川炭鉱は73年の歴史に幕を閉じることとなりました。
閉山に際して、労働組合と町が一体となりさまざまな要望・要請を行い、三井石炭鉱業と上砂川町の間で、地域振興に関する確認が交わされました。   
閉山した炭砿の町を舞台として創られた演劇がありました。
脚本家倉本聰の「悲別」で、(かなしべつ)と読みます。その舞台となったのが、この実在の上砂川町でした。                
昭和59年~61年炭鉱育ちの若者を描いたTVドラマのロケセットが残されています。

歌志内市の「住友上歌会館」は「悲別ロマン座」として使われました。                         
空知地域における旧産炭地の町は、国道12号線を北上する右側に連なっています。夕張市・三笠市・美唄市・上砂川町・歌志内市・赤平市・芦別市。

特に上砂川の北にある歌志内は採炭より先に、石炭を運び出すための鉄道が敷かれた地区です。狭い地区にゴールドラッシュで46000人に人口が増えました。
町を横切る道道114号を走ると旧「住友上歌会館」が見えてきます。
昭和28年にオープンした住友炭坑職員の福利厚生として建てられたもので、東宝歌劇団や東海林太郎や当時のスターが舞台に立ちました。

昭和46年に閉山となり解体費用がないという理由で放置され、ボロボロの廃屋の状態が続きます。この廃屋で最初に映画のロケが行われたのは、昭和52年「幸せの黄色いハンカチ」でした。 
そうして、昭和59年~61年のテレビドラマ「昨日悲別で」で映画館「悲別ロマン座」として登場。

昭和61年に全面改修に向けて募金活動で180万円が集まり、市から2500万円の補助を出してもらい改装されます。しかし、その後はまた廃屋が続きます。
この廃屋を建て直そうと一人の男性が軽食屋を開いています。
是非とも立ち寄ってみてください。
「昨日悲別で」「今日悲別で」「明日悲別で」と3部作となりました。「明日悲別で」は、震災後の福島をテーマとしています。