エゾシカの爆発的増加で、食用化の試みが増えてきております。
「道内」に生息するエゾシカは2009年度の推定で64万頭とされています。

・明治21年、エゾシカ絶滅の危機に瀕したため、全道一円で捕獲が禁止されたのですが、明治33年危機が回避されたので、捕獲禁止が解除されました。

・大正9年、 生息数が減少したため、全道一円で再び捕獲が禁止された。

・昭和32年、農林業被害が顕在化したので、一部地域でオスジカの捕獲禁止を解除(可猟区の設定)しました。それ以降、概ね3年毎に可猟区の見直しを行っていました。 

・平成6年3月、道東4支庁(十勝支庁、釧路支庁、根室支庁、網走支庁)でのエゾシカの推定生息数12万頭。
・平成20年、道内に生息するエゾシカは推定で52万頭程度
・平成22年、北海道環境生活部が、「道内」に生息するエゾシカは2009年度の推定で64万頭とする調査結果を公表。
東部地域(オホーツク、十勝、釧路の3総合振興局と根室振興局)で同32万頭。

北海道では1990年代よりエゾシカの個体数の爆発的増加が見られ、2000年代に入ると牧草地の被害拡大はもとより交通事故や鉄道事故を誘発するという深刻な被害を出すようになりました。

2000年代からはシカの捕獲数の増加を図る試みの一環として、鹿肉を食用として流通させる試みが行われています。
十勝管内の足寄町では、1996年に駆除したエゾシカの解体処理施設を整備し、エゾシカの肉の食用化を事業化しています。
従来、鹿肉の利用は鹿刺しや「もみじ鍋」に限られていたが、ハンバーグや加工製品などを使った料理がご当地グルメとして普及し始めます。

例としてエゾシカバーガーがあります。
また、ジビエとしてフレンチ食材とし、地域振興に結び付けようという動きも知床などで盛んです。
禁猟区に指定されている国立公園内では特に個体数が急増したため、森林内の下草はおろか天然林の稚樹まで食害に遭っています。このため、若木の生長(天然更新)は全く期待できない状態であり、数十年後には森林の生態系に深刻な被害が生じるのではないかと危惧されています。