砂漠のような荒廃地帯

現在はすっかり緑に覆われている襟裳岬周辺ですが、明治時代の終わりから昭和初期にかけては、まさに木一本生えていない広大な砂漠が広がっていました。

原因は、開拓民が燃料にするために木を切りつくしてしまったため森が砂漠化し、砂漠から飛ぶ赤土が、襟裳岬の海を茶色に染め、生活の糧である昆布を死滅させようとしていました。

百人浜展望台入り口

この砂漠化した大地を、再び緑の森に復元させるための壮大な治山事業が昭和28年林野庁によって開始されます。この事業は延々と続けられ、平成15年には実施50周年を迎えました。
この事業を開始から中心的な作業員として、また営林局(現在の北海道森林管理局)と地元とのパイプ役として事業の推進に大きく貢献してきたのが、襟裳岬に生まれ襟裳の海で育ったコンブ漁師の飯田常雄さんでした。

2001年(平成13年)に緑化の取り組みがNHK総合「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」で放送されたので見た人も多いと思います。

えりも緑化事業の半世紀 あるコンブ漁師の話

この本は「えりも岬緑化事業50周年記念事業実行委員会」によって作られたものです。

監修 北海道森林管理局  
語り 飯田常雄(いいだつねお)

昭和3年、えりも町襟裳岬生まれ。コンブ漁師の4代目として幼い時からコンブ漁に携わる。昭和28年、浦河営林署(現・日高南部森林管理署)による緑化事業の開始とともに現場の作業に参加。
以後50年に渡ってコンブ漁と緑化事業に従事。
平成5年にはその功績により緑化功労者表彰をうけた。
平成13年に放送されたNHKのドキュメンタリー番組「プロジェクトX」では、えりもの森づくりの生き証人として登場し、全国の視聴者に森の大切さを訴えた。