士幌線

日本国有鉄道(国鉄)が運営していた地方線。根室本線の帯広駅から分岐し、十勝平野を北上し河東郡上士幌町の十勝三股駅までを結んでいました。

北十勝の音更川流域は肥沃な地勢で、明治30年代から始められた国有未開地処分法による土地の無償貸し付けで移住者が急増。さらに、根室線の全通で大量の移住者が入植してきました。

士幌線と称され第一期線の帯広ー上士幌間の建設は大正11年10月から始められました。平坦な地形のため工事は順調に進捗し、帯広ー士幌間は大正14年12月、士幌ー上士幌間は大正15年7月に開通し営業開始。
開業当初の帯広ー士幌間(38.4キロ)の列車運行は一日三往復の客貨混合列車で、所要時間は1時間30分でした。

この士幌線は山岳地帯を北上して石狩国へ抜けて、上川で石北線に連絡する予定でした。そのため、帯広ー士幌間が開通する以前から、その延長が要望されていました。だが、財政上の理由で何度も予算が削除されるという経緯をたどっています。

大正11年に帯広から工事に取り掛かり、17年で十勝三股に到着しました。開業当初の帯広ー十勝三股間76キロの運行は、一日四往復の客貨混合列車で、所要時間は2時間45分でした。

国鉄再建法の制定に伴い、1984年(昭和59年)に第2次特定地方交通線に指定され、国鉄民営化直前の1987年(昭和62年)3月23日に全線が廃止されました。