北海道拓殖鉄道(ほっかいどうたくしょくてつどう)

国鉄根室本線新得駅から分岐して、河東郡上士幌町の国鉄士幌線上士幌駅までを結んでいた地方鉄道です。

拓殖の由来は農産物や木材の輸送を主目的にした鉄道で、石炭輸送や漁港と最寄りの国鉄駅を結ぶ目的で建設される事例が多い中で性格を異にしていたからです。
鉄道の開通によって沿線に入植者が集まるだろうと、道内の商工業者が出資して発足しました。

大正13年に新得側から工事を始め、足寄郡足寄町の池北線(当時は網走本線)足寄駅までの延伸を見込んでいましたが、石北本線の開通で短絡の意義が薄くなったことや凶作続きで入植者が増えなかったことに加え、昭和恐慌で資金が不足したため途中の上士幌までで工事は中断。

第一期線は新得ー鹿追間の21キロで大正14年9月で、完成は昭和3年11月。蒸気での運行で12月から開始されました。

第二期線は鹿追ー中音更間23.7キロで、昭和4年11月の完成。

第三期線は中音更ー上士幌間9.6キロの着工は昭和4年9月で完成は昭和6年11月。

上士幌ー新得間54.3キロを一般運輸営業。一日の運行は客貨混合列車の7往復で、そのうちの3往復が新得ー上士幌間の直通でした。
2.3等車を連結した同区間の所要時間は1時間50分。

1968年(昭和43年)10月1日に廃止されましたが、会社自身は廃線後も運送業者として存続しており、バス部門は廃止前の1961年1月に子会社の北海道拓殖バス(1960年12月設立)に譲渡されて存続しています。