王子製紙は鵡川、沙流川の上流にあたる国有林(針葉樹)の伐採について道庁と払下げ契約をしていました。
苫小牧軽便鉄道は鵡川と佐瑠太(現在の富川)まで来ており、両河川を利用して流送る計画でした。ところが、大正13年7月から苫小牧軽便鉄道が一般営業線になり、佐瑠太から沙流川沿いに平取に達する住民が敷設を望む声が高まりました。

このため、小樽の実業家板谷順助ら9人が特許申請を行います。大正9年9月に許可を得て、沙流軌道㈱を設立し、王子製紙も出資し取締役2名を送り込みます。

単線、蒸気の佐瑠太ー平取間13キロは、大正9年12月に一部の区間で試運転が行われ、営業開始は大正12年8月で、二等車を連結した客貨混合列車4往復の運行で、所要時間は42分でした。

平取地方の開発と地方交通に貢献しました。

写真は富川駅です