天塩鉄道

留萌市と小平蘂(おびらしべ)川流域の小平町達布(たっぷ)を結んだ25.4キロの地方鉄道です。

昭和13年、日中戦争の長期化により国策上の要請で北海道人造石油㈱が設立され、滝川や留萌に工場が作られました。
この鉄道は工場向けの石炭と御料林伐採の木材搬出を主たる目的としたもので、昭和13年に特許を得、工事に取り掛かり留萌ー天塩本郷間10.4キロは昭和16年12月に開通、天塩本郷ー達布間15キロは昭和17年8月に開通し、全線を一般運輸営業が開始されました。一日三往復の客貨混合列車で、留萌ー達布間の所要時間は1時間でした。

北炭天塩鉱の採炭は昭和15年から始まりましたが、昭和18年が最大で、それ以後は炭層が枯渇。あらたに住吉、日新の二鉱を開きましたが採算に合わず昭和26年に閉山となりました。

天塩鉄道は石炭部を設けて採炭事業を引き継ぎましたが、石炭産出は低下し昭和35年からは赤字に転落し、廃止・廃業となりました。