優駿-ORACION-  ー 新ひだか町

優駿』(ゆうしゅん)は、宮本輝の小説。
1986年新潮社より上下巻にて刊行されました。
競走馬「オラシオン」の誕生から日本ダービー挑戦までの成長を巡る、「オラシオン」を取り巻く人々の人間模様を描いています。

第21回(1987年)吉川英治文学賞受賞作。

1988年に『優駿 ORACIÓN』と題し、フジテレビ開局30周年記念作品として映画化されました。

 

サラブレッド銀座

オラシオン(スペイン語の祈り)と名付けられた馬をめぐって展開。
静内の牧場を起点として牧場主、馬主、調教師、騎手たちの人間ドラマで、そこに恋愛がいろどりを添えています。
競走馬の内幕、社会の縮図ともいえるドロドロした世界が捉えられているのと同時に、人間と馬との信頼関係が爽やかに描かれています。

サラブレッド銀座とは、静内町の隣町新冠町にある「牧場が続く道路」です。

「見渡す限りの牧場だった。広大な夕焼けの中に、うねうねと果てしなく牧場の起伏がつづいている。遠くにペラリ山が見え、数頭の馬が点のようになって赤く光っていた。家に戻ると東京から客が来ていた。うちの牧場の馬を買ったことのある和具工場の和具平八郎と、18歳になる久美子という娘だった」