挽歌・原田康子ー釧路市

道東、釧路は霧の街でもあります。原田康子の挽歌は昭和31年に出版されるや72万部を超えるベストセラーとなり、釧路の街は一躍脚光を浴びることになります。

翌年には人気女優久我美子主演で映画化され、全国に挽歌ブームを巻き起こしました。

原田は、この作品で第八回女流文学者賞を受賞しました。
原田康子は昭和3年に東京で生まれましたが、生後間もなく釧路に移り住んでいます。挽歌は名物の霧の街を舞台にしながら、「釧路」という字はどこにも出てきません。

幻想的な海霧が町を包む釧路を舞台に、自由奔放なヒロインの怜子と妻子ある建築家桂木との不条理な愛を描いたのが『挽歌』でした。