野のなななのかー芦別市
芦別市を舞台にした2014年公開の映画です。
監督は大林信彦、出演はは品川徹、常盤貴子など。
芦別映画・「野のなななのか」製作委員会が2013年2月に発足。
「なななのか」とは、仏教の「四十九日」を意味する言葉。
太平洋戦争終結直前、樺太でソ連軍侵攻を経験した男性を軸に、葬儀のために集まった家族の姿と、その家族に関わる終戦の秘話を通じて、3.11以降の日本のあり方を見つめるドラマ。
常盤貴子が、第29回高崎映画祭で「野のなななのか」の演技を受けて最優秀主演女優賞を受賞し高崎市文化会館で行われた授賞式に出席しました。
(高崎映画祭は、市民有志のボランティア団体で高崎映画祭事務局によって運営されている映画祭)
常盤貴子の授賞式のあいさつ。
「この『野のなななのか』を製作しました、星の降る里芦別映画学校は、鈴木評詞さんという芦別出身の方が15歳のときに大林監督の『さびしんぼう』に憧れて、尾道をロケ地巡りをして、いつか自分のふるさとでも大林監督に映画を撮ってほしい、そのために自分にできることは何だろうと考えて、市の観光課で働き始めました。そして大林監督を招き、この映画学校が始まったそうです。
ところが評詞さんは映画学校が始まって何年かしたときに病気で亡くなられてしまうんですね。
その遺志を継いで、映画学校の他のスタッフたちが今日まで続けてこられ、『野のなななのか』が完成しました。
私はずっとこのお話をいただいたときから今日まで、おかしなことを言っていると思われるかもしれませんが、ここに導いてくれたのは評詞さんだなとずっと思っていました。
私が演じた役も不思議だと思われてしまいがちな役なので、特にそのように感じていました。こうして今日、高崎の皆さんに評価をしていただけたのも、評詞さんのおかげだと思いますし、もっと言うならば、高崎の映画好きの皆さんにはそのことが分かるんだな、映画はすごい力を持っているんだなと思いました。
皆さんが、映画の中に込められている評詞さんの想いを感じ取ってくださったんだなと思うと、これからの映画製作にも希望が持てますし、評詞さんがこのことを一番喜んでくださっているのではないかと思います。
映画史の中には鈴木評詞さんというお名前は残らないかもしれませんが、ここにいる皆さんだけでいいので、高崎映画祭主演女優賞・常盤貴子の裏に、どうか鈴木評詞さんを感じていただけたらと思います。今日はありがとうございました。」と語った。