鉄道員(ぽっぽや)ー南富良野町

20年ほど前になりますが、帯広から国道38号で狩勝峠を越え落合駅を過ぎ、やや下り坂となり、道は直角に右折の標識が目に留まった時でした。道の左手に「鉄道員(ぽつぽや)」の看板が目に入りました。
急ブレーキを掛け、左折して車は上り坂となり、そこはJR根室本線の幾寅駅でした。

浅田次郎のベストセラー「鉄道員(ぽつぽや)」のロケ地でした。

廃線が決まった架空のローカル線・幌舞駅が映画化にあたってJR根室本線の幾寅駅に選ばれました。
小さな駅を黙々と守ってきた鉄道員の気概と誇りを描いた作品で、平成7年(1995年)『小説すばる』に掲載され、後に短編集にまとめられ集英社から刊行されました。
第117回直木賞受賞作で、140万部を売り上げるベストセラーとなりました。1999年に降旗康男監督、高倉健主演により映画化され、第23回日本アカデミー賞(2000年3月)の最優秀作品賞、最優秀主演男優賞など主要部門をほぼ独占しました。

JR根室本線幾寅駅(幌舞駅は鉄道員ロケ地)

ロケが行われた幾寅駅の駅舎は現役の駅ですが無人駅です。ところが、鉄道員(ぽっぽや)の展示会場となっています。駅名も、映画の通り「幌舞駅」と表示されて観光に一役かっています。駅前もロケのセットがそのまま保存されており、周りに高い建物はなく、この駅前が周囲に溶け込んで現実と虚像が一体となっています。