氷点ー旭川市

「氷点」の舞台である外国樹種見本林内に三浦綾子記念文学館があります。

平成10年に民間の熱い募金によって建てられた私立の文学館で、館の前には、直筆で氷点の冒頭の一節を刻んだ文学碑が建っています。

「氷点」は朝日新聞一千万円懸賞小説当選作として、昭和39年7月10日に朝日新聞社が発表しました。
記事には「旭川市豊岡町2条4丁目1の3。大正11年4月25日旭川市生まれで42歳。同市立高女卒。小学校教員を退職後、昭和21年から34年までカリエスのため13年間の闘病生活を送ったが、現在全快、昭和34年三浦光世と結婚して雑貨店経営。昭和37年「主婦の友」の懸賞小説に応募「太陽は再び沈まず」が入選している」とありました。

この年の12月9日から朝日新聞で連載が始まります。
書き出しは
「風は全くない。東の空に入道雲が、高く陽に輝いていて、つくりつけたように動かない。・・・・旭川市郊外、神楽町のこの松林のすぐ傍らに、和、洋館から成る江口病院邸が、ひっそりと建っていた」

この小説は昭和40年11月14日まで338回連載されました。
また、テレビ朝日ではドラマ化され驚異的な人気を呼びました。 

和寒町・塩狩峠記念館

平成11年10月12日、77歳で亡くなりましたが、旭川および周辺を舞台にした作品が多く、「塩狩峠」には三浦夫婦が雑貨屋を営んでいた建物が移築され和寒町が管理しています。
その他、「積木の箱」「逃亡」「泥流地帯」「銃口」など多数があります。
キリスト教の布教を作家的信念として実践した人でした。

見本林や塩狩峠を描いた絵があります。