鳴海章「輓馬ばんば」ー帯広市

(なるみ しょう)    1958年7月9日 –
小説家。帯広市生まれ。本名三井 章芳。

帯広柏葉高等学校を経て、日本大学法学部卒。
1991年、『ナイト・ダンサー』で第37回江戸川乱歩賞を受賞。シリーズものの著作として『国連航空軍』シリーズ、『スナイパー』シリーズ、『原子力空母信濃』シリーズ、『ゼロ』シリーズがある。航空サスペンス・エンタテイメント小説の熱心な書き手として知られている。
『風花』は2001年に映画化、『輓馬』は『雪に願うこと』のタイトルで映画化。

雪に願うこと』は、2006年の日本映画。第18回東京国際映画祭で4冠を獲得する。

「馬が首を振るたび、鉄橇にのせた錘がしゃんしゃんと音を立て、それに手綱や鞭のうなり、騎手のかけ声が混じる。矢崎の耳には、騎手のかけ声はほうほうとか、やあやあと聞こえた。時おり、馬に気合いを入れるように、ハイッと鋭い声が飛んだ。そして馬と併走する観客たちは、馬や騎手を励まし、時に罵った」