梶山李之「赤いダイヤ」ー音更町

「赤いダイヤ」(集英社)は1962年(昭和37年)に刊行されました。
小豆をめぐる相場師たちの暗闘を描いた小説です。

音更町の十勝川温泉が登場します。

「街の北東郊外には、有名な十勝川温泉がある。温泉から二キロをへだてたところに、千代田堰堤があり、十月のサケの漁期には、十勝川をさかのぼるサケの勇壮な風景がながめられる。」
二人は十勝川の流れのほとりにある十勝川温泉の一軒のホテルに入った。
「この温泉は、いわゆる深山幽谷にあるものと異なり、平野の中に、ポッカリ出現した温泉だった。
目の前には、悠々と流れる十勝川がある。背後には、はるかに続く大平原があり、遠く日高山脈が続いている。」

翌朝、起きてみると八月末というのにもう降霜だ。佐藤は札幌へ引き返し、森はハイヤーを雇って川西・愛国・大正というコースで小豆の作柄を視察して歩いた。
「十勝地方は、七郡十三町六村からなり、東西110キロ、南北163キロという巨大な面積を持っている。/ 約24万町歩の農村の大半は、雑穀を中心とした畑作、なかでも雑豆類は、北海道の50%を、この地方で産出していた。」

昭和39年、東映で映画化されました。
主演・藤田まこと、ハナ肇、三田佳子など