司馬遼太郎「燃えよ剣」ー松前町

『燃えよ剣』は、司馬遼太郎の歴史小説。

『週刊文春』誌上で、1962年(昭和37年)11月から1964年(昭和39年)3月にかけて連載、文藝春秋新社から1964年(昭和39年)3月に刊行されました。

幕末の武装集団、新選組副長・土方歳三の生涯を描いた歴史小説で、テレビドラマ・劇場映画・舞台など様々なメディアに翻案されています。

 

箱館戦争を描いた作品は多くありますが、「燃えよ剣」で松前城の最後を描いた部分を紹介します。

明治元年(1868年)十月、榎本巡遺軍の総督(陸軍奉行並)の「歳三らは松前城の天守閣をみる高地まで出た」。城内にむかって砲撃を開始する。砲兵に援護射撃をさせつつ彰義隊と新選組に大手門をあたらせ、歩兵や額兵隊などの様式部隊は搦手攻めをさせた。土方は、馬上で指揮をとった。
弾雨のなか、ついに全軍はどっと対岸へのぼった。白兵戦がはじまると、新選組の一団の上にはつねに血の霧が舞っているようで、もっとも強かった。やがて敵は奇妙な戦法をとりはじめた。それを見破った歳三は「門がひらくと同時に射手めがけて一斉射撃しろ」と命じた。もし敵の大砲の発射が早ければ、味方は木っ端微塵になるだろう。それより早く20艇の小銃が火を噴き、大砲の松前藩兵はばたばたと倒れた。「斬り込め」。全軍乱入し、藩兵は城をすてて江差へ敗走した。

松前藩兵は江差に敗走するには、現在の国道228号を北上することになります。
上ノ国にも箱館戦争の古戦場碑が建てられています。

北海道の岬めぐり 88 (ラスタッペ岬)